養生の効果が感じられないのはなぜ?
〜脾を整えることの大切さ〜


最近、自分で養生しようと思い、食事や生活習慣を工夫しているのですが、不調がなかなか良くならないんですよね。効果を焦りすぎなのでしょうか?

その心がけはとても素晴らしいですね。焦る気持ちもよくわかります。ですが養生は薬のように即効性があるものではないので気長に無理せず行いたいですね。

やっぱり、すぐに変化を期待しすぎているんですかね?

それもあるかもしれませんし、もう一歩踏み込んで考えてみてもいいかもしれませんね。そもそも、なぜ養生をしても思うような効果が出ないのか、その原因を探ってみても良いかもしれません。

原因……たとえば、何が考えられるのでしょう?

養生とは本来、体を根本から整えていくものです。ですが、その土台となる“脾(ひ)”の働きが弱っていると、せっかくの養生が十分に活かされないことがあるんです。

脾……?
胃腸のことですよね?

そうですね。東洋医学における“脾”は、西洋医学の消化器官でいう胃や小腸、大腸の働きとも関係しています。 ですが、それだけではありません。脾は単に食べ物を消化するだけでなく、気と呼ばれるエネルギーを生み出す重要な役割を担っているんです。

エネルギーを生み出す?

はい。脾は“後天の気”を作る臓と呼ばれています。 つまり、生まれ持った先天的な気に対し、食事や呼吸を通じてエネルギーを補い、維持していく働きをしてくれているんですね。

なるほど。でも、脾の働きが弱っていると、どうなるんですか?

脾が弱ると、せっかく体に良い食べ物を摂っても、それをうまく消化・吸収できなくなりますね。 つまり、養生のための食事をしていても、そのエネルギーがしっかりと全身に巡らず、思うような効果が出にくくなってしまいます。そのほかにもこんなことが起こりやすいですよ。
【脾が弱ると起こりやすい不調】


これは困りますね……。
どうすれば脾を元気にできるんでしょう?

まずは、脾を傷める習慣を控えることが大切です。 たとえば、冷たい飲み物や食べ物をとりすぎる、暴飲暴食してしまう、食べ過ぎ、夜遅く食事をとる、大きすぎるストレスがかかるなどが脾の働きを弱める要因になります。

冷たいものは控えたほうが良いというのはロン毛先生もよくおっしゃっていますよね。

そうなんです。脾は“温かさ”を好み、“冷え”を苦手にしています。 冷たい飲み物や食べ物は、脾の働きを鈍らせ、消化力を弱めてしまうので、なるべく温かい食事や飲み物を心がけたいところです。

なるほど。脾を元気にする食べ物もありますか?

代表的なものは、消化に良くて温かい食材です。 例えば、かぼちゃ、さつまいも、にんじん、大根、きのこ類、鶏肉、クコの実などがあります。そのほかにも色々ありますよ!
【脾を元気にする食材】


色々あるんですね!オススメの食べ方はありますか?

温かくしたいのでお茶やスープ、お粥もオススメです!

おかゆ!確かに消化に良さそうですね!

それから、よく噛むことも大事です。 よく噛んでゆっくり食事を楽しむことも消化を担う脾を助けます。

確かに、早食いはあまり良くないって聞きますもんね。

その通りです! そして、脾を助けるためには適度な運動も。 軽いウォーキングや、朝のストレッチなどで体を動かし、気血の巡りを良くできるとなお良いですね。

確かに、早食いはあまり良くないって聞きますもんね。

その通りです! そして、脾を助けるためには適度な運動も。 軽いウォーキングや、朝のストレッチなどで体を動かし、気血の巡りを良くできるとなお良いですね。

やっぱり、食事だけじゃなく生活全体を整えることが大事なんですね。

はい。養生とは、一朝一夕に成果が出るものではありませんが、正しい習慣を積み重ねることで、確実に変化があります。 焦らず、じっくりと無理のない範囲で取り組んでみてくださいね

よし! まずは脾を整えることから意識してみます!

はい!是非楽しみながら続けてみてくださいね。
養生の土台を固める鍵は“脾”にあり!
養生の効果を感じにくいときは、「脾」の働きが弱っている可能性があります。
脾は消化・吸収を担い、エネルギーを生み出す大切な臓器。
冷たい飲み物を少し控え、温かい食事やお粥を取り入れるだけでも、皆さんの「脾」の負担を減らし元気をサポートできます。
焦らず、少しずつ続けることが大切です。
毎日の食事や習慣を見直しながら、心地よい体づくりを楽しんでみてくださいね!